「儲かる」「損はしない」などの触れ込みが目立つ「ビットクラブ」というサービスですが、果たして本当にそんな都合のいい話があるのでしょうか?
目次
ビットクラブとは
ビットクラブとは、仮想通貨のマイニングを行う集団への投資である「クラウドマイニング」を行なっている団体の一つです。公式ホームページなどの情報によると、2014年よりクラウドマイニングに参入しており、マイニングを行っているデータセンターは大部分がアイスランド、その他に中国やロシアにあるとされています。
クラウドマイニングとは
クラウドマイニングとは、端的にいうと「仮想通貨のマイニングを行う集団に対して行う投資」を意味します。
仮想通貨の世界では、仮想通貨の管理運用システムの維持管理のために取引データを記録する作業と、その作業が正しいかどうかを確認する作業を誰かが行う必要があります。これらの作業のことを「マイニング」といいます。
マイニングの作業内容はざっくりにいうと「コンピュータでの計算」であり、計算能力の高いコンピュータさえあれば、基本的には誰でもマイニングができるという理屈になりますが、実際には仮想通貨そのものの価値が過去と比較して非常に大きくなってきた現在、マイニング専門の業者がいくつも登場しており、それぞれが何台~何十台もの高性能スーパーコンピュータをフル稼働させて作業を行っているために、個人が自前のコンピュータを使って挑戦したところで、太刀打ちできないというのが実情になっています。
そこで登場したのが集団で行う「プールマイニング」であり、更にプールマイニングに対して投資を行いマイニングの成果に比例したリターンを受け取る「クラウドマイニング」が登場しました。ソロマイニングを行ったりプールマイニングに参加したりするには、マイニングを行うコンピュータの性能を上げるための初期投資やコンピュータの専門的な知識を身につけることがマストになるため、初心者にはややハードルが高いです。
一方でクラウドマイニングの場合は「マイニング」という名こそついているものの、ユーザー自身がマイニングをするわけではないため、設備の準備や知識が不要だというメリットがあり、特に初心者ユーザーの間では大きな注目を集めています。
ビットクラブのもつ5つの特徴
ビットクラブは自身のホームページで「7万個以上のビットコインがマイニングされ現在まだまだ増加中」「500ペタハッシュ以上の展開 (514.84 PH/秒)」「5つの大陸でマイニング運営」「世界のマイニング事業のトップ10に常にランクイン中」「ビットコインのマイニングを4年以上持続中」と、5つの項目を強みとして掲げています。
中でも「世界のマイニング事業のトップ10に常にランクイン中」という点についていうと、2018年9月6日時点でのマイニングプールのハッシュレート分布を見ると、ビットクラブはプールマイニングのシェアのうち約3.5%を占めており、「unknown」を除き第9位のシェアを獲得しています。
加えてビットクラブはBitfuryと業務提携を行っており、Bitfuryはシェアの約1.5%を獲得している(2018年9月6日時点)ので、合わせて約5.0%のシェアを占めている計算になります。
ビットクラブ参加の仕組み
先述のとおりビットクラブはプールマイニングへの投資を行う「クラウドマイニング」を実施していますが、ビットクラブのサービスを具体的に説明すると、ビットクラブで購入できるのは「プールマイニングを行うコンピュータのレンタル権利」ということになっています。
ちょうど音楽CDをレンタルすることで「音楽を聴く権利」を得られるように、後述する料金を支払えば1000日間、プールマイニングを行うコンピュータから得られる「権利」を享受することができるという仕組みです。
ビットクラブ参加により得られる2つの報酬
ビットクラブ参加により得られる報酬は、大別するとマイニングにより得られる報酬と、新規参加者を紹介することで得られる紹介報酬との2つがあり、これらはいずれもビットコインで支払われます。ここでは、それぞれの報酬について説明していきます。
マイニングにより得られる報酬
ビットクラブ参加者が得られる報酬として、まずは先述のとおりプールマイニングにより得られる報酬の配分があります。
ビットクラブへの参加は500ドル、1,000ドル、2,000ドルの3つのプランが準備されており、いずれも購入時から1,000日間、報酬を得られる権利が与えられます。それぞれの料金体系では「還元率」と「再購入率」が設定されており、プールマイニングにより得られた報酬に「還元率」をかけたものを実際の報酬として得られます。
では「再購入率」をかけたものはどうなるのかというと、こちらは初めにレンタルしたコンピュータを「増強」するために利用されます(増強したコンピュータは「子機」と呼ばれます)。レンタルしたコンピュータが増強されて計算力が向上すれば、その分プールマイニングにより得られる報酬が多くなり、ユーザーが得られる報酬も多くなるという仕組みです。マイニングにおいてはコンピュータの機能の維持・向上が必要不可欠であり、そのためにプールマイニングにより得られる報酬全てを利益として還元するのではなく、一部をコンピュータの増強に回しているという構造です。
プールマイニングによる報酬を得られるのは、参加してから約30日後からです。以降は1000日目まで基本的には毎日報酬を得られるようになっています。ちなみに、上記の3つの料金体系すべてを一度に購入できるプランも3,500ドルで用意されており、こちらを購入した場合は「創立者ボーナス」と「特別オファー」という特別なサービスも得られるようになります。
紹介報酬
ビットクラブへの参加は既存の参加者からの招待により可能となるシステムを採用しており、新規参加者を招待した場合には「紹介報酬」を得られるようになっています。紹介者1、2人目は新規参加者の参加料金の5%、3~5人目は6%、6~8人目は7%、そして9人目以降は8%を得られるようになっています。
また、自分が紹介した新規参加者が「子機」を作った(プールマイニングのコンピュータを増強した)場合にも報酬を得ることができます。
すなわち新規参加者を紹介すればするほど多くの紹介報酬を得られるという仕組みになっています。
ビットクラブに参加する方法
ビットクラブに参加する方法をご説明します。紹介者を探すことやビットコインを購入しておくことなど、事前にしておくべきことがいくつかあるので、よく確認してから実際の参加手続きを行うとよいでしょう。
ビットクラブへと参加するための紹介者を探す
ビットクラブに参加するためにはすでにビットクラブに登録している人に紹介者(ビットクラブでは「スポンサー」と呼称)になってもらう必要があります。そのためまずは紹介者を探しましょう。
ビットクラブ登録料99ドル分のビットコインを購入する
後述するビットクラブへの登録料99ドルはビットコインで支払うことになります。そのため、まずは99ドル分のビットコインを購入する必要があります。ビットコインの購入自体は国内ほとんどの仮想通貨取引所でできるので、自分が利用している(あるいは利用したい)仮想通貨取引所を選ぶようにしてください。
ビットクラブ公式ホームページでアカウントを作成する
登録料99ドル分のビットコインが準備できたら、ビットクラブの公式ホームページにアクセスし、アカウントを作成します。アカウント作成の際にはまず紹介者名をホームページ上で送信してから、名前・メールアドレス・ユーザー名・パスワード等を入力するという手順になります。この時に入力するユーザー名とパスワードはビットクラブ公式ホームページへのログインに必要となるので、メモをとるなどしてしっかり管理しましょう。
アカウントの作成までは無料で行うことが出来ますので、この際に公式ホームページに掲載されている情報をひととおり確認しておきましょう。ビットクラブ公式ホームページは日本語にも対応しているので英語が読めなくてもある程度の情報は把握できます(マイニングプール統計情報など一部英語のみの箇所もあります)。
ビットクラブ登録料99ドルを支払う
次に、登録料として99ドルを支払うことで登録を完了させます。ここでは先述のとおり99ドルをビットコインで支払うことになるので、ビットコイン/ドルのレートを確認してから登録をすることをオススメします。
マイニングプールのレンタル購入手続きをする
いよいよマイニングプールのレンタル購入手続きに入ります。先述のとおり500ドル、1,000ドル、2,000ドルの3つのプランが準備されているので、自分の投資計画に合ったプランを選んでください。レンタル購入手続きが完了後、約30日が経過すると、プールマイニングによる報酬が支払われるようになります。
ビットクラブで儲けられるのか?それとも損をするのか?
最後に、ビットクラブで儲けられるのか?それとも損をするのか?についてご説明していきますが、結論からいうと「こうなる!」と断言することは難しいです。
というのも、ここまでご説明してきたとおり、ビットクラブで得られる報酬はあくまでプールマイニングによるビットコインが軸となるためです。
プールマイニングは他のマイニング団体との競争ですから毎日安定した成果をあげられるとは限りませんし、加えてビットコインのレートも短期的・長期的に変動します。例えば500ドルで1000日間のレンタル権利を購入した場合には1日あたり0.5ドル分以上の報酬を平均して得られれば利益が出る計算になりますが、毎日安定的に0.5ドル以上の報酬を得られる保証はどこにもありません。
一方で、仮想通貨の売買とは異なり、最初の登録料と権利購入料を支払った以降はランニングコストがかからないというメリットもあります。ビットクラブ参加の判断は、ビットコインのレートの動きの予測を頭に入れつつ、最初に支払う初期コストと、以降のプールマイニング及び紹介で得られる報酬とをしっかり天秤にかけて行うようにしましょう。