リップルはカナダのウェブ開発者ライアン・フッガー(Ryan Fugger)氏によって開発された「ビットコイン2.0」タイプの仮想通貨で、2013年9月26日に公開されています。ここでは、独自の分散型プラットフォームを持つリップルの特徴や今後の将来性についてまとめてみます。
リップルの概要
リップルは開発者のライアン・フッガー氏が国際送金システムが抱える問題に早くから注目し、ビットコイン以前から開発をすすめていました。
その後、先日も仮想通貨長者首位に輝いたことでも知られるクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏にリップルの開発を移譲し、リップルネットワークをほぼ完成いさせます。なお、リップルは会社組織で運営されていますが、このことからリップルネットワークの体質は中央集権的との評価をされています。
もともと暗号通貨は法定通貨にくらべ国際送金に長けていますが、リップルはユニーク且つ独自の国際送金システムを持っており、他の仮想通貨と一線を画しています。またリップルの特徴(国際送金)を表す言葉として「Internet-of-Value(価値のインターネット)」があります。この内容の概略は「リップルの特徴」で解説しています。
リップルの仕様
イーサリアムの基本仕様を下記にまとめています。参考にご覧ください。
- ハッシュアルゴリズム
リップルで使われている分散台帳は「XRP Ledger」といってリップル独自のものであるため、他の仮想通貨でいうところのハッシュアルゴリズムがありません。
いわれ
あえて近い概念を示すと、リップルネットワークでは「Ripple Consensus Ledger」というアルゴリズムを用いて合意形成がおこなれています。 - ブロック制作間隔
リップルのブロック制作間隔は約5秒といわれ、現在の仮想通貨のなかではかなり早い部類に入ります。 - 発行総数
リップル独自通貨、XRPの発行総数は1000億XRPで、このうちリップル社以外に分配しているのが約390億XRPです。つまり、残りの約600億XRPをリップル社が管理していますが(実際にはもっと少ない)、2018年から毎月1日に10億XRPのロックアップ解除が始まっています。これでXRPは安定的に市場に流出し、流動性も高まると考えられています。 - 取引承認方法(コンセンサス・アルゴリズム)
リップルが取引承認に採用しているアルゴリズムはProof of Consensus(プルーフ・オブ・コンセンサス)です。
Proof of Consensusは少し特殊で、取引承認をするのはネットワークから信認された複数の人間です。またProof of ConsensusはProof of Workのようなマイニング報酬はありません。Proof of Consensusについては後述します。
リップルの特徴
ここではイーサリアムの特徴である「スマートコントラクト」を解説します。
リップルは「Internet-of-Value(価値のインターネット)」を目指し、現在進行形で開発が進められています。ここでは、リップルの特徴でもある「Internet-of-Value」の根幹をまとめています。
リップルで使われている分散型台帳は「XRP Ledger」といいます。「XRP Ledger」はビットコインやイーサリアムで使われている分散型台帳(ブロックチェーン)とは異なります。一般的なブロックチェーンでは、不特定多数の参加者がマイナーですが、リップルの「XRP Ledger」はリップルが選んだValidatorが取引承認を行います。
リップルのProof of Consensusはネットワークから信認された人が取引承認を行い、基本的に報酬はありません。
ネットワークから信認された人(Validator)とは、不正を行わないと認めた承認者で、現在ではリップル社の人が取引承認を行っています。この辺は、リップルが中央集権的といわれる部分です。そして具体的にはValidatorの8割が取引承認した場合に「XRP Ledger」(リップルの分散型台帳)で管理します。
また無報酬だという点ですが、今後リップルの仕事が必要だと理解された時、無報酬でも承認作業を行う人が現れるとリップル側は考えています。そして、現在も承認作業の一部をマイクロソフト社が行っています。
リップルが描く国際送金を実現するIOU取引はリップルの目指す国際送金を現実化するものです。まず送金者はゲートウェイという業者に円やドルなどの資金を預けることで資金と同じ額のIOU(借用証明書)を受け取ります。
次に受取人は送金者からIOU(借用証明書)を受け取り、リップルが定めている通貨ペアであれば、ゲートウェイ(一種の金融機関)でドルやユーロ、またそれ以外の通貨にも換金して受け取れます。
IOU取引のゲートウェイには世界各国の有力な銀行が候補に上がっており、リップルはこれらの銀行と協力してIOU取引を進める考えを持っています。リップル社は、単なる仮想通貨の業者に域を超えているといって差し支えないでしょう。
ILP(インターレジャープロトコル)とは、単に取引プロトコルともいい、異なる決済ネットワークでの資産のやり取りを可能にするリップル独自の規格・ルールのことです。
ILPの「異なる決済ネットワーク」とは、単にお金による国際送金にとどまらず、仮想通貨やクレジットカード、ペイパル、電子マネーなども同時に取り込みます。
2017年にはILP用のビットコインのプラグインが発表されていますが、これによってビットコインで送金したものがドルなどでも受け取れます。
またこの取引プロトコルは、送金時にかかるコストや時間の問題も解決します。リップルの描く国際送金の最終的な目標がILPといっても良いでしょう。
リップルの使い道
仮想通貨のなかでもトップ3に入るリップルですが、国内でXRPが使えるお店はほとんどありません。
ただ注意したいのは、せっかく入手したXRPをお店で消費し、無理に手放すことはないということです。ここでは、無理にXRPを手放さないためのエピソードを2つ紹介しましょう。
●あやしいネットショップなどで無理にXRPを使わない
国内ではほとんど使えないXRPですが、海外のサイトではリップルをはじめとするアルトコインが使える、eBayのようなオークションサイトがあります。
ただ、あるショップに出品されている商品を見たところ、わざわざXRPを使って買い物するだけの価値はなさそうです。
XRPを保有している人にはまずいないと思いますが、たとえXRPが使えた場合でも、初めて使うショップでXRPを平気で消費してしまう方がいるとしたら、そのような行動はあまりすすめられません。
ちなみにこのショップでは、いつアクセスしても並んでいる商品は一向に変わりません。いい方が悪いですが、アルトコインを入手する目的でオークションサイトを立ち上げただけかもしれません。
いずれにしても、あやしいと思われるショップでアルトコインを散財するのはまり賢い使い方とはいえないでしょう。
●XRPなどアルトコインがチャージできるUQUIDカード
またリップルを始めとする88種類のアルトコインが使えるデビットカード、「UQUID」というカードがあり、仮想通貨のブログで広告も見かけていました。ただこのカードがどうやら使えなくなったようです。
UQUIDは当初Visaと提携していましたが、日本ユーザー含むEU圏外の利用者にUQUIDがカードが使えなくなりました。その後Masterブランドで再スタートしましたが、Masterカードからの発行会社への規約変更などがあり、2018年の1月中に取り扱いができなくなったようです。UQUIDにチャージしていた仮想通貨は、果たして戻ってくるのでしょうか。
UQUIDは海外のカードですが、米国ではクレジットカードで仮想通貨の購入ができなくなるなど、むしろ海外のほうが仮想通貨に対して厳しい側面があります。
日本ではビットコインがチャージできるバンドルカードもありますが、XRPなどのアルトコインはまだ日本の一般市場に根付いていません。日本で仮想通貨が自由に使えるようになるには、まだ時間がかかりそうです。
リップルの価格
リップルの価格は2017年12月から急激に上昇しています。そしてその勢いはしばらく続き、ついには時価総額ランキングでそれまで2位の座を守っていたイーサリアムを抜き、ついに逆転しました。
しかしリップルに2位は長く続かず、1月9日にはイーサリアムに再び逆転されます。原因はいろいろ考えられますが、再三にわたってニュースを賑わせていた韓国の仮想通貨規制の影響が大きいでしょう。当時韓国の取引量はリップル全体の半分以上を占めていたようです。ピーク時には13兆円あったリップルの時価総額は急落し、約半分にまで下がりました。
その後は仮想通貨が全体的に低迷したわけですが、2月6日以降は反発に転じています。現在のリップルの価格は120円前後で推移しています。
リップルのやろうとしていること(独自の国際送金システムの構築)が正しく投資家に伝わることで、XRPの価格はまだ伸びます。
思いだしてみるとXRPの価格は2017年12月始めに30円でしたが、1月のピーク時には300円まで値上がりしました。まだ伸び代がある通貨と考えて間違いはないでしょう。
リップルの買い方
- GMOコイン(ジーエムオーコイン)
- DMM Bitcoin(ディーエムエムビットコイン)
- ビットバンク(bitbank)
- Binance(バイナンス取引所)
GMOコインは取り扱いコインはすべて販売所形式となり手数料が割高です。DMM Bitcoinは現物取引はビットコインとイーサリアムのみとなりリップルは販売所形式です。つまり、ビットバンクだけがXRPを板取引で売買できます。
なおビットバンクの利点は、コールドウォレット保管・マルチシグ運用体制をとっておりセキュリティに強い点です。またbitbank Tradeでは、本格的なビットコインFXも楽しめます。
また香港のBinanceもおすすめ取引所にあげておきます。
Binanceは銘柄数が多く、リップルももちろん扱っています。
Binance以外にも海外取引所はたくさんありますが、2018年1月にはBinanceが世界No.1の取引所になりました。
ビットコインは国内のbitFlyerが安心ですが、アルトコインを投資対象に考えており、ある程度英語できる方はBinanceをチェックしておくと良いと思います。
リップルの将来性
リップルの将来性はかなり有望です。
リップルにはグーグルやマイクロソフト社も投資しています。余程のことがおきない限り、リップルの伸びを止めることはないと思います。中央集権的な面があり、好みは分かれますが、リップルはぜひ押さえておきたい仮想通貨のひとつです。
しかしXRPは通貨としての価値は未知数です。リップルは国際送金に重きを置く仮想通貨ですが、通貨としての機能については正直それほど魅力は感じません。もしリップルに不安要素があるとすれば「リップルは仮想通貨としてどうなの」という一点だけです。その意味でリップルは、リップル社の株式に投資したほうが適切ではないかともいわれています。
ただ日本だけで考えても、主要大手銀行のほとんどがリップルの考えに賛同しています。仮想通貨としてのXRPの人気が廃ることはまず考えにくいといえます。もしかしたら、2018年はリップルに安値で投資できるラストチャンスかもしれません。