仮想通貨「ジーキャッシュ」とは?特徴や買い方、今後の将来性について | 仮想通貨

仮想通貨「ジーキャッシュ」とは?特徴や買い方、今後の将来性について | 仮想通貨

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ジーキャッシュ(Zcash)はビットコインのプライバシーを高めようとするプロジェクトから誕生した仮想通貨です。ここでは、ジーキャッシュの特徴や今後の将来性についてまとめています。

ジーキャッシュの概要

ジーキャッシュはジョンズホプキンス大学のMatthew D. Green教授らが初期のプロジェクトを立ち上げますが、そこから派生したZooko Wilcox氏らを中心にしたプロジェクトがジーキャッシュの前身です。

じつはジーキャッシュのアドバイザーには、初期のビットコインの開発を手掛けたGavin Andresen氏、イーサリアムのVitalik Buterin氏、ビットコインジーザスとして知られるRoger Ver氏と言った錚々たるメンバーが顔を連ねています。ジーキャッシュは暗号通貨の玄人からも、厚い信頼と期待が寄せられていることがわかります。

ジーキャッシュは日本でも匿名性とプライバシーに重点を置いた仮想通貨としてしられていますが、2016年10月28日の公開以降、これまで不具合による稼動停止もなく運営できています。
なお、2018年3月初旬時点の時価総額は約1074億で、ランキングは24位につけています。

ジーキャッシュの仕様

  • ・ハッシュアルゴリズム
    ジーキャッシュのハッシュアルゴリズムはEquihashを採用しています。
    Equihashは現在、保有するRAMの量でマイニングできるかが決まります。そのためASICのようなマイニング専用機では経済的に実装できません。
    なおジーキャッシュが推奨するマイニングデバイスは、64ビットプロセッサとOSはLinux、ハードディスクは3GBの空きメモリ、10GBの空き容量が必要とのことです。
  • ・ブロック制作間隔
    ジーキャッシュのブロック制作間隔は 約2.5分(150秒)です。
  • ・発行総数
    ジーキャッシュの総発行量は2100万ZECで、半減期は4年ごとに設定しています。
    ジーキャッシュの通貨単位はZECです。
  • ・取引承認方法
    ジーキャッシュの取引承認方法にビットコインと同じProof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)が使われています。なお、ビットコインのブロックサイズ1MBですが、ジーキャッシュは2MBになっています。

ジーキャッシュの特徴

ジーキャッシュの特徴にはビットコインより早い決済スピードもあげられますが、何より特筆すべきことは、ジーキャッシュの高い匿名性、あるいはプライバシーの実現があります。
ここではジーキャッシュの特徴でもあるzk-SNARKsと呼ばれる手法に絞ってお伝えします。

ジーキャッシュのzk-SNARKsは、根底に「ゼロ知識証明」と呼ばれる数学的概念(暗号技術)があります。「ゼロ知識証明」を端的にいうと、トランザクションに関する情報を明かさずにトランザクションの正当性を証明にすることをいいます。

仮想通貨のトランザクションとは「取引」のことです。このトランザクションは複数の支払元と複数の支払先によって構成されます。
通常の仮想通貨の取引では支払元はプライベートキー(秘密鍵)によってトランザクションに署名します。支払元にはアドレスや取引数量も書いていないため、通常の仮想通貨の取引でも、コインを入手したハッシュと支払先のインデックスを見なければ、トランザクションの情報はわからないようになっています。

簡単にいうと、これをほぼ明かさないで(ゼロ知識で)取引の合意認証に使えるようにしたのがzk-SNARKsという技術です。

ジーキャッシュのzk-SNARKsでは、「t」で始まるtransparent(透明)アドレスと「z」で始まるshielded(保護)アドレスがあり、transparentアドレスはビットコインなどのアドレスと同様に残高が公開されますが、Shieldedアドレスではアドレスや残高が公開されません。

そして興味深いことに、transparentアドレスかShieldedアドレスかの組み合わせは専ら自由に設定でき、全部で4つの組み合わせからアドレスを自由に選べます。従って、ジーキャッシュだからかなずしもShieldedアドレスを使うことにはなりません。パブリックな取引とプライベートな取引を柔軟に選べるのも、今後ジーキャッシュを使うメリットだといえます。

ジーキャッシュの使い道

ジーキャッシュはビットコインや他のメジャーな通貨に替えて使えるところはありそうですが、ジーキャッシュのみで使えるお店は、国内でもウェブでもまだ無いようです。

ただ匿名性の高い仮想通貨ということで、モネロ等と同様にダークネットマーケットから需要は依然として高いようです。

●匿名性が高いジーキャッシュもダークネットマーケットからの需要がある
ダークネットマーケットとは、闇サイトのようなイメージと考えて貰えばいいでしょう。とくに海外のダークネットマーケットは違法薬物や銃器等を扱っています。その資金のやり取りに匿名性仮想通貨が使われていることはすでに日本でも伝わっていることでしょう。

事実、ジーキャッシュもモネロと同様に、ダークネットマーケット・サイトのAlphaBay(アルファベイ。現在閉鎖済み)で採用されていました。このようなサイトは需要がなくならない限り、幾つも生まれてきます。

また匿名性通貨はマネーロンダリングにも使われるとも言われます。しかし、ジーキャッシュの高い技術はダークネットマーケットやマネーロンダリングのために生み出されたものではありません。

ジーキャッシュの公式サイトにも「彼らは車も使うでしょうし、インターネットや現金、銀行システムだって使います。私たちのゴールは悪い人が使えないものを生み出すことではなく、地球上に住む何億もの人々に力を与え、豊かにするものを開発することです」と書かれています。

●「匿名性」と「プライバシー」との関係性
またジーキャッシュは、彼らが通貨のテクノロジーは「匿名性」ではなく「プライバシー」のほうが適切ではないかと考えているようです。
ジーキャッシュが提供するテクノロジーはプライベートデータに対する標的型攻撃に備え、金銭的なプライバシーを実現する優れたツールであり、その上で匿名性の強化というメリットも備わっていると伝えています。

「匿名性」と「プライバシー」は日本語でも相関関係があり、突き詰めて考えると単なる「言葉遊び」に陥ってしまいます。ただ、ジーキャッシュなどの匿名性通貨を「プライバシーに重点をおいた通貨」と呼ぶことも、今後は必要な場面が増えるのではないでしょうか。

ジーキャッシュの価格

ジーキャッシュは数学者を含む優秀な開発陣を擁するメンバーによって立ち上がったプロジェクトということもあって、その期待感からスタートアップ時、価格はかなり高騰しています。

しかしその後は5000円近辺を推移。ただ、2017年に入ると5月にJPモルガンがジーキャッシュと提携するニュースが入り、相場は俄然賑わい出します。なおJPモルガンとの提携では、JPモルガンのブロックチェーン「Quorum」にジーキャッシュのzk-SNARKsの技術が取り入れられると発表されています。
また中国の大手マイニングプールのViaBTCがジーキャッシュの取引をスタートし、韓国でも大手取引所のBithumbがジーキャッシュを上場させたことで価格が再び高騰しました。

2017年の12月、1月はほとんどのアルトコインが高騰しますが、ジーキャッシュも12月21日には8万8000円を超え、ついに最高値を更新します。価格は低迷していた時期にくらべると約20倍にも跳ね上がったことになります。

2018年3月現在ジーキャッシュの価格は30000円前後で推移していますから、落ち着いたとは言え、高低落差は比較的緩やかだと分かります。これが匿名性通貨の強みなのかもしれません。

ジーキャッシュの買い方

ジーキャッシュが買える取引所
  • Binance
  • Bithumb

ジーキャッシュに関しては、業務停止中のコインチェックをあげておこうかと迷いましたが、先達て金融庁から2回目の業務改善命令が出ており、業務再開は暫く困難でしょう。

そうなると、ジーキャッシュが買える取引所は海外にしかありません。おすすめは香港のBinance、韓国のBithumbです。
韓国のBithumbをあげたのは、昨年だとジーキャッシュの取扱高が最大と言われていたことが大きな理由です。Bithumbがジーキャッシュを上場させたのは2017年9月末のことですから、韓国だけで相当伸ばしたのでしょう。現在も比較的良い条件で買えるようです。

ただ今の不安定な韓国の状況をみた場合、香港のBinanceのほうが有利ですし、他の銘柄にも広げやすいメリットもあります。どちらも世界No.1といわれた取引所ですが、現時点ではBinanceのほうに分があるかもしれません。

ジーキャッシュの将来性

匿名性仮想通貨の人気は日本ではいまひとつですが、海外では根強い人気があります。これは匿名性という言葉が、悪いことを隠すことに繋がるという発想が日本では広まっているからです。

しかし「匿名性通貨」イコール「脱税」「マネーロンダリング」と考えられているとしたらとても残念なことです。ジーキャッシュ関する多くの記事が、ジーキャッシュの良い面を捉えるきっかけになればと考えています。

もちろんジーキャッシュは日本だけで展開されている通貨ではありませんから、ZECの伸び代はまだ十分にあります。今年は短期間での高騰はあまり期待しないほうがいいかもしれませんが、中長期的は十分に成功する通貨でしょう。

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