草コインって何?儲かるの?

草コインって何?儲かるの?

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仮想通貨の取引市場では、仮想通貨の元祖である「ビットコイン」や、ビットコインから派生した仮想通貨である「イーサリアム」や「NEM」などといったメジャーなアルトコインに加えて、世間的には有名ではない仮想通貨も多くの種類が取引されており、これらのマイナーな仮想通貨が英語圏ではShit Coinと呼ばれています。

草コインとは?

草コイン 由来

Shit Coinをそのまま和訳するとやや品のない言葉となってしまうのですが、日本ではネットスラングで「笑」を意味する「草」をもじって「草コイン」と呼ばれているとされています。

草コインの特徴は「とにかく値が安い」こと

草コインは安い

現在取引されている仮想通貨の種類は約1,600種類あるとされています。具体的には「草コイン」の定義はまだないのですが、これらの約1,600もの仮想通貨のうち9割以上が草コインだとされており、これらの草コインには「値が安い」という特徴があります。

例えばメジャーな仮想通貨であるビットコインの価格は1BTC=約77万円、イーサリアムの価格は1ETH=約3万円、NEMの場合は1XEM=約12円となっています(いずれも2018年9月1日時点)。

一方で草コインの場合はその多くが1単位あたりの価格が1円を下回っており、中には0.01円以下のものもあるなど、メジャーな仮想通貨と異なり草コインはとにかく値が安いということが分かります。

国内の仮想通貨取引所では草コインをほとんど取り扱っていない

草コインをほとんど取り扱っていない

現在、国内の仮想通貨取引所のうち最も多くの種類の仮想通貨を取り扱っているのは「コインチェック」であり、「ビットコイン」「イーサリアム」「イーサリアムクラシック」「Lisk」「ファクトム」「リップル」「ネム」「ライトコイン」「ビットコインキャッシュ」の9種類が取り扱われています(2018年6月18日までは「ダッシュ」「ジーキャッシュ」「モネロ」「オーガー」の4種類も取り扱っていた)。

その他の仮想通貨取引所ではおよそ5~8種類の取り扱いとなっていますが、ほとんどがビットコインやイーサリアムなどといったメジャーな仮想通貨のみしか取り扱っていません。

現在、草コインの取引を行いたい場合には、海外の仮想通貨取引所を利用するしか手段がなく、仮想通貨の投資初心者にとってはややハードルが高いといえます。

草コインが仮想通貨市場で注目される理由

草コイン 注目

とにかく値が安く、かつ日本国内では取り扱っている取引所がないなど、草コインは通貨としての使い勝手はあまり良いものではありません。

しかし、仮想通貨取引の投資家の間では、草コインが持つ大きな投機性が注目されています。

ビットコインやアルトコインなどといったメジャーな仮想通貨は、知名度も高く取引量も多いために、ハードフォークなどの大きな動きがない限りは、値段が大きく動くことはあまりありません。値段があまり動かないと投資対象としては魅力があまりないようにも感じられますが、値段が安定していることは通貨として考えればメリットでもあるため、多くのユーザーがビットコインやアルトコインを通貨として利用しています。

一方で取引量も少なく知名度も低い草コインの場合は、先述のとおり値段こそ低いものの、何かのきっかけにその草コインが有名になるなどして取引量が上がれば一気に値上がりすることがあるのです。

実際に発生した草コインの爆発的な値上がりの事例

草コインの爆発的な値上がり

これまでに実際に発生した草コインの爆発的な値上がりの事例をご紹介していきます。草コインの値上がりはほんの短期間で発生している事例が多く、また値上がりの直後にはすぐに値が戻るという特徴があります。

BitZeny(ビットゼニー)

BitZeny(ビットゼニー)

急激な値上がりを記録した草コインとして有名な仮想通貨が「BitZeny」です。2014年11月発行開始のBitZenyは2017年10月までは大きく値が動くことがなく1 ZNY=0.1円以下で推移してきたのですが、2017年11月から値が一気に上昇。2017年12月6日に最高値となる1 ZNY=約48円に到達しました。値上がり前の価格を1 ZNY=0.1円として考えると実に約480倍もの暴騰を記録したことになります。

Verge(ヴァージ)

Verge(ヴァージ)

Vergeも大幅な値上がりをした草コインとして有名です。BitZenyとほぼ同時期の2014年10月に発行開始されており、こちらも1 XVGあたり0.1円以下で推移してきました。ところが2017年5月頃から0.1円を突破し徐々に値が上がりはじめ、2017年12月に入り価格が急騰。2017年12月24日に、1 XVG=約30円に到達しました。BitZenyには及びませんが、こちらも約300倍の値上がりを達成した計算です。

Siacoin(シアコイン)

Siacoin(シアコイン)

Siacoinは2015年6月の発行開始から現在に至るまでに2度の値上がりが発生しています。1度目は2017年5月から6月にかけての値上がりです。それまでは1SCあたり0.1円以下の価格を保っていたのが、5月に入り0.1円を超え、最高で1SC=約2円の値をつけました。その直後はやや値を戻して0.4円から0.7円で推移していたのが、2017年12月からまた値が急激に上がりはじめ、2018年1月6日にはついに1SC=約10円に到達しました。

Dogecoin(ドージコイン)

Dogecoin(ドージコイン)

DogecoinもSiacoinとほぼ同じタイミングで2度の値上がりを経験しています。1度目の2017年5月から6月にかけての値上がりでは、それまで1DOGE=約0.02円で推移してきたのが最高で約0.4円の値を付け、約20倍の値上がりを記録。さらに2017年12月から2018年1月にかけては約2円にまでハネ上がり、2017年5月以前と比較すると実に約100倍の価格高騰を記録しました。

現在注目されているおもな草コイン

ここからは、2017年下半期以降に誕生した比較的新しく、かつ大きな注目を集めている草コインを紹介していきます。

XP

XP

現在も注目されている草コインの1つが「XP」です。
2017年8月に誕生したXPですが、当初は1XPあたり0.01円にも及ばないような低レートで取引されていました。それが2017年12月あたりから突如として値が上がりはじめ、2018年1月5日には最高値となる1XP=約0.6円に到達。実に60倍もの値上がり率を記録しました。
XPとはExperience Points、日本語でいう「経験値」を略したものであり、ゲーム内で経験値の代わりに使用されるという用途がある点が大きな特徴です。通常のゲームでは「経験値」を貯めてもキャラクターがレベルアップしたりする等、そのゲーム内での使用しかできませんでしたが、XPは様々なゲームで使用可能であるとともに、将来的には現実の世界でも使用可能にしようという目標もあるとされています。また、XPには「実質的に発行量の上限がなく総発行量がとても多い」という特徴もあります。ビットコインの場合は発行上限が2,100万枚と設定されており、現在はそのうち約8~9割、約1,800万枚が発行されています。それに対してXPの現在の総発行量は約2,000億枚と、ビットコインの約1,000倍となっています。

Centrality(セントラリティ)

Centrality(セントラリティ)

Centrality は、2018年1月15日にICO(Initial Coin Offering:新規仮想通貨公開)が実施されたばかりの仮想通貨です。Centrality のICOではわずか6分で約100億円相当の仮想通貨トークンが完売となるなど大きな注目を集めています。ICO実施直後は1CENNZあたり約20円から40円の間で推移したものの4月24日には最高値となる1 CENNZ=約59円を記録。BitZenyやVergeのような爆発的な値上がりとはならなかったものの、およそ1.5~2倍の値上がりを記録しました。
Centralityは2018年6月にAmazon.com, Inc.とテクノロジーパートナーシップを結んだと発表しました。現時点では具体的にどのような提携が行われて行くのかは明らかとなっていませんが、インターネットショッピング大手のアマゾンと新興仮想通貨とがどのようなシナジーを生み出していくのか、大きな注目が集まっています。

STRAKS(ストラクス)

STRAKS(ストラクス)

STRAKSもまた2017年12月末に公開されたばかりの新興仮想通貨です。STRAKSの特徴は話題の最新技術が多く搭載されている点です。詳細な説明はここでは省きますが、例えば契約行為を自動化する「スマートコントラクト」や、種類が異なる仮想通貨の取引をユーザー間で完結させる「アトミックスワップ」が搭載されていたり、あるいは送金に関する情報を匿名化する「ゼロコインプロトコル」も搭載予定であるなど、まさに最先端の仮想通貨として大きな注目を集めています。そのため、公開されたばかりの時点で1 STAKあたり200円から250円の高いレートを記録しました。その後レートは落ち着き一時は1STAK=約18円まで値下がりするものの、2018年5月には再び1STAK=約250円まで急騰。しかし再び値は下がり、現在は1STAK=約5円で落ち着いています。

草コインの取引を行う方法と注意点

先述のとおり、現時点では国内の仮想通貨取引所ではほとんど草コインを取り扱っていないために、草コインの取引をしたい場合には海外の仮想通貨取引所に登録する必要があります。有名な海外の仮想通貨取引所としては「Bittrex」や「Cryptopia」、「CoinExchange」などがありますが、いずれも日本語には対応していない点に注意が必要です。

海外の仮想通貨取引所に登録ができたなら、次に仮想通貨取引所(国内、海外いずれでもOK)でビットコインを購入し、自分が登録した海外の仮想通貨取引所の口座に転送します。これで、転送したビットコインを用いて取引所で草コインを取引できるようになります。この際、ビットコインから別の仮想通貨に替えてから購入するという方法もありますが、いずれにしろ各種手数料やレート等を考慮して取引を行うようにしましょう。

最後に、草コインはこれまでご説明してきたとおり、急激に価格が上がり大きな利益を得られることもありますが、その値上がりは一時的なものである場合が多いこと、そして全ての草コインが値上がりするとは限らないという点、さらに草コインに限らず今大きく盛り上がっている仮想通貨取引市場では悪意あるユーザーによる詐欺行為なども横行しているという点にも深く注意して、仮想通貨の取引に臨んでください。

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